年始の挨拶回りとは【About New Year courtesy calls】
年始の挨拶回り(あいさつまわり)は、特に新年になると親しい間柄やお世話になっている方へ訪問してご挨拶をすることです。
新年の賀詞に訪問するときに持参するあいさつ代わりの品を、お年賀の品と呼びます。
年賀に伺う家は目上の方であって、旧年中お世話になったお礼はお歳暮ですでに済ませていることが多いですから、大げさな品や金額のかさばる品を持参する必用はありません。
訪問する側も、応接する側もともに礼を失わずに接することが大切です。
社会生活は、人と人との間柄が出発点です。
円滑な人間関係をつくるためには、相手を敬い、上手にコミュニケーションをとることが重要です。
お辞儀一つとっても、相手に対する誠意が感じられなければ、作法としては十分ではありません。
対人関係は、信用や信頼が最も大切ですが、日常の心がけで、自然とマナーにも影響を与えます。
年始まわりの起源【Origin around the beginning of the year】
奈良時代から、宮中でも臣下が賀詞を奏することが行われてきました。
武家社会でも、源頼朝の時代から正月の3日間は椀飯(おうばん)という主君を招いて饗宴していました。
訪問【Visit】
訪問する場合は、事前にお伺いする時間帯の約束と取り付ける必要があります。
先方の都合の良い日時をお聞きし、自分のスケジュールと照らし合わせて、訪問日時を決めます。
近くまで来たからからちょっと軽い気持ちで訪ねる方もいますが、先方の都合もありますのでご迷惑にならないように事前にご連絡するのが礼儀です。
お客様を迎える側は、約束の日時に気持ちよくお迎えできるよう、もてなす気持ちが大切です。
挨拶回りの時期【Time of greeting around】
挨拶回りの時期は、新年になり三が日が過ぎたあたりから7日(松の内)までを目安にします。
元旦は家族内で祝う日なので、親しい間柄でもお休みの場合は家族でゆっくりしていたいものですから、避けるのが常識です。
仕事での挨拶回りや年始のご挨拶でも仕事始めから7日程度を目安にしています。
訪問時間【Visit time】
訪問時刻は、早朝や夜間、食事の時間帯(12~13時)をはずして行動するようにします。
すべては先方の都合に合わせますが、常識的な範囲を常に心がけましょう。
また、約束の時間よりも早く到着したからといって、早すぎる訪問は相手に迷惑がかかります。
応接室がまだ片付いていなかったり準備の途中では、相手をあわてさせることになります。
もし早く到着した場合には、近くの喫茶店で時間をつぶすか、相手に電話で連絡して都合がよいか確認するがよいでしょう。
逆に遅刻しそうな場合には、約束の時刻よりも前に遅れてしまうということを電話で話しておくのが常識です。
社会人として約束の時間は厳守することが常識ですが、交通機関の都合などもあり、当人都合ではないこともあるので、せめて事前報告はするべきです。
また、長居は禁物で、帰る時間をタイミングよくみはからいましょう。
挨拶回りを贈る品【Goods that give the greeting around】
無難なお年賀用品なら、みかん、干し柿などを用意します。お子さんのいる家庭なら保存がきいて家族で食べられる「洋菓子」「ようかん」や「カステラ」「クッキー」などが喜ばれます。
来客の多い家族ならビールなどのアルコール飲料などを持参します。
挨拶回りのお返し【Return of greeting around】
お年賀にお返しは必要はありませんが、返礼の訪問をしたほうが良い場合もあり、このときはお年賀の品を持参します。